国産針葉樹(間伐材)を使用した家具の制作・販売



ウッドワーク通信

発行:2003年06月02日

□■□■□■□■□協同組合ウッドワーク メールマガジン■□■□■□■□
<< 第2号 >>

1. ごあいさつ –事務局より–

こんにちは!!!皆様は、いかがお過ごしでしょうか?すっかり、暖かい気候に変化し、暑いような日もありますが、過ごしやすい季節となりましたね。ウッドワークの事務所は、海岸に近い場所にあります。波の音、潮の香り・・・サーフィンを楽しんでいる人々・・とても夏!を感じるような風景と爽やかな風が吹いています。 これからの季節、ジメジメ湿気を感じるようになりますが、負けず劣らず、頑張りましょう!
最近、事務所の横の小さな花壇にトマト、ナス、からし、大葉などを育て始めました。大きく育ってくれるのだろうかと心配ですが、ひとつ楽しみが増えたことに喜んでいます。時々、気休めに野菜たちを眺めています。

さて、第2号のメルマガをお楽しみください。

2. 協同組合ウッドワークが出来た理由 –職人たちの声–

ウッドワークの職人たちは、建具作りが本職だったので、元々、家具の職人ではありませんでした。しかし、針葉樹を加工する技術は実は建具職が一番優れていたのです。時はバブル崩壊頃、大量生産におされて、木工技能を生かした「職人」の数が減り始めたことに危機を感じて職人たちが職人たちのための組合を設立しました。
建具だけでは、生き残れない・・・そう感じたウッドワークは、環境に配慮された家具の第一歩として、今や社会問題になっている植林針葉樹の間伐材に着目して、産地認証スギによる、家庭用の机、椅子を製作しました。もちろん、建具も産地認証スギの無垢建具を開発し、環境に配慮したものを目指すようになりました。

塗料も植物性のオイル仕上げに変え、細かなところまで気を配るようにしました。丁度、同じ頃、偶然の出会いをきっかけにデザイナーの小田原健先生との新たな出発が始まりました。その偶然の出会いが協同組合ウッドワークを大きく飛躍させたのです。クリプトメリアシリーズの誕生です。
間伐材という一番扱いにくいものを使うのは、苦労の連続でした。しかし、間伐材での家具作りは、とても技術が必要なもので、制作していくうちに面白さが出てきたのです。細かく集成された材は、面白いほど、模様の変化にとんでいます。 特に産地認証スギの赤み、白みのコントラストは、大変美しいです。

さぁ~!今日は、建具、家具を作っている職人に出発点である産地認証スギでのものづくりについて聞いてみました。

Q1:最初の頃、杉の間伐材をみてどうでしたか?
新井修:いやぁ~まいったよ。こんなにも悪い材を使うの?と当時は正直いって嫌だったね。 節はいっぱいあるし、ぬけ節だらけ・・・曲がる、反る、どう扱っていいのかわからなかったよ。杉の間伐材なんて一番悪いところだと思っていたので、誰もが手を出さなかったんじゃないかな?でも、それは、間伐材という木の素材がわからなかったからなんだ。ちゃんと勉強をして、作り始めてやりがいのある、ものづくりだと思ったよ。

Q2:家具を作り始め・・一番苦労したな~と思う事とはなんですか?
米山均:毎日、苦労しているよ(笑) ぬけ節なんかは、山から小枝を集め、ひとつずつ丁寧に埋めていくが、当時は慣れない仕事に気が遠くなるような手作業だったのを思いだします。 始めたばかりの頃は、材の乾燥がうまくいかず、割れることもあったね。完璧な製品としてなるまで、時間がかかったし、苦労を重ね、いいものが出きるようになった時はやっぱり嬉しいものだね。 今では、割れるという事はないし、丈夫な組み方をしているので、強度的には、問題ないです。技術的に向上したという事ですね。

Q3:家具を作るのに気をつけていることは何ですか?
猪俣一博:特に椅子に関して、ダイニングなどは、椅子4脚ほどを同じ場所で使う事が 多いので、出来るだけ同じ色合いの木を使って、統一した木取りを心がけています。・・・というのも、産地認証スギの場合、木のキャラクター(色や木目)が非常に強く同じデザインでも木取り次第で、まるで違った印象のものになってしまうんだ。「色と雰囲気(木目)を使う場所で揃える」間伐材ならではの、気を使うところです。

Q4:一番、嬉しかった事は何ですか?
高橋忠義:やっぱり、出来上がった時の喜びだね。それと買ってくださったお客さんから「ありがとう」の言葉をもらった時。次へのステップに大きな力を与えてくれます。

Q5:間伐家具(建具)職人としての思いは??
横山正浩:心を込める!ひとつの木に魂を入れることで製品が出来ると考えています。 間伐材だから使えないなんていう材はありません。強い材、色味のある材など、家具の部分によって使い分けることが大切です。どんな材でも適した使い方があるのだと気づきました。

以上。職人たちの声は、いかがでしたでしょうか??質問数が少なかったかもしれませんが、本音が聞けたと思います。初心を忘れないように、これからも新鮮な気持ちで、ものづくりに励むことでしょう。

3. ウッドワーク製品のおはなし –テーブル編–

前回は、チェア編ということで、お話をしましたが今回は、テーブル編です。

ウッドワークのテーブルの天板は幅ハギ集成で作られています。一枚一枚、木の模様を見て木目をデザインするのです。組み上げは、ホゾ組が基本で金物は最低限しか使用しません。安価な家具は、金物とビスで作られていますが、それは結局ビスのネジ山でいずれ、抜けてしまいます。20年後、30年後と使う家具は、ホゾ組が基本です。

家族との団らんにぬくもりとやさしい木の温かさがほしいあなたに!
他とは、ちょっと違うデザインのテーブルがほしいあなたに!!
ダイニングテーブル“OW-T08”がぴったりです。
・ 細かく集成された天板は、見事なまでの美しい仕上がり。天板の厚さは、40mmで無垢の素材感を味わえます。
・ 一番の特徴は、脚です。丈夫な組み立て(全てホゾとくさびによる仕上げ)を施しているので、強度は、No.1!
<< OW-T08

丸い形の天板がお好みのあなたに!
“OW-T01”がお薦めです。
・丸い天板は、一方方向に集成されているのではなく、織り込まれたような木目の模様が特徴的です。
※ 特寸や特注、カスタム化にも対応いたします。ご相談に応じますので、お申し付けくださいませ。
OW-T01 >>

4. 間伐材という新しい素材

2002年「林業にいがた」№601に記載された内容をご紹介します。

協同組合ウッドワーク 顧問 関原 剛

家具にするための幅ハギ集成について、お話したいと思います。間伐材は、おしなべて小径木ですから、テーブル天板などから、椅子の座面まで、一枚もので使えるということは、まずありません。必ず幅ハギ集成をしなくてはなりません。椅子の座面の場合は20mmとか30mmの細かな幅ハギをおこないます。テーブル天板の場合でも、100mm程度の幅ハギになります。この幅ハギ集成が、まず終了しないと家具の造作には移れません。またこの作業は、単に板をつなげれば良い、というものではなく、白赤のバランス、節のばらつき具合など、「絵を画く」ようなつもりで、木びろいしなくてはなりません。

「ただのムクの集成板」と「デザインされた集成板」では、まるで商品価値が違ってきます。ましてや、フィンガージョイントの集成などでは、DIY品になってしまいます。間伐小径木利用で、やむにやまれず行なった幅ハギ集成が、実に表情豊かな「板面」を作りあげたのです。こうなると、間伐材ならではの白赤のコントラストや、たくさんの節が、他の大径木素材では得られない「味」だということがわかります。

しかも、人間の目でみて考えながら、幅ハギの順番を決めなくてはならないことが、機械による大量生産を不可能にし、職人の存在価値を高めてくれます。また、例えば椅子の座面には、白太を使ってあたたかくし、力を受けるところは、赤太を使って強くし、湾曲したテーブルなどには、根曲がりのアテを使い、などというデリケートな使い分けも可能になります。間伐杉の幅ハギ集成板は、「しょうがない品物」などでは毛頭無く、「新しいデザインの価値のある板」ということになります。同じ寸法のフィンガー集成板に比べると製品時での価値は10倍から20倍にもなります。

間伐材利用という「苦労」の中で発見出来た大変重要な出来事です。間伐材=不良木という目を持っていたら、このような間伐ならではの美を見過ごしてしまいます。「間伐杉という素材」の優れた点は何かということを探ることが、「間伐でなくてはいけない」製品の誕生につながるのです。

※この他に協同組合ウッドワークは、以下の雑誌に掲載されていますので、ご紹介します。
1. ランドスケープデザイン・・・・・№29 2002年9月
2. 木材情報・・・・・2002年8月
3. 中小企業・・・・・2001年6月
4. 手づくり木工事典・・・・・№53  2002年
5. 林業新知識・・・・・№590 2003年1月
6. 杉(スギ)日本の原点シリーズ木の文化1・・・・・2003年3月。

5. ウッドワーク製品 納品事例紹介 -No.1-

「星美ホーム・山中寮」2002年7月20日納品

山梨県山中湖にあります、子供たちの施設にウッドワーク製品を納められました。
産地認証スギ使用製品の一部をご紹介します。

ウッドワークの職人たちが一生懸命に汗を流し、共同作業で成し遂げた仕事です。職人の仕事の様子を見たいあなた!建具・家具をご覧になりたいあなた!どうぞご覧下さい。

 
 

▼△▼△▼△▼協同組合ウッドワークメールマガジンについて▼△▼△▼△▼
 発行者:協同組合ウッドワーク
 登録・解除は、ウッドワーク通信のページからお願いいたします。

このページのTOPへ