国産針葉樹を使用した家具の制作・販売
納品・施工事例
上越市 T様
新潟県上越市中郷区お住まいのT様より、お庭の「五葉松(ごようまつ)」を伐採され、廃棄するのではなく、お祖父様がとても大切にされていた想い入れのある松なので、家具として残せないものかとご相談をいただきました。
●2018年11月20日 伐採された「五葉松(ごようまつ)」を見に現地へ伺いました。
長さ4m程度、 直径30㎝~35㎝程の五葉松1本です。
お客様のご要望は、第一希望「テーブル」、続いて「ベンチ」や「スツール」です。
ちなみに・・・
◎五葉松(ゴヨウマツ)は、どんな樹木なの?
マツ科/マツ属
常緑針葉/高木
別名:ヒメコマツ・マルミゴヨウ
高さ:一般的には、3m~10m程度まで生長する。
主に本州南部、四国、九州に自生しているそうです。
一箇所から葉が五本出るため、ゴヨウマツといいます。
銀色がかった葉が美しく、神社仏閣、庭園に植栽されます。
成長が遅く、木質が柔軟で、枝を曲げやすいため、盆栽に使われることが多いそうです。
●2018年11月26日 製材所に運搬を依頼
製材所より、ユニックトラックで運搬を行いました。
クレーンで五葉松を吊り上げ、トラックの荷台に乗せます。
運搬中、荷台で松が動かないようしっかり固定し、製材所へ運びます。
●2018年12月14日 製材作業開始
製材の前に丸太表面、小口、五葉松のくせを目視します。
根本の曲がり部分、テーブル部分、枝、節等、それぞれチェーンソーで切り分けます。
木目の状態(先々の曲がり反り、割れ)を見て、伐る方向を決めます。
いよいよ、製材機で丸挽きしていきます。
綺麗な木目が現れました。
これから、じっくり時間をかけて天然乾燥させてゆきます。
●天然(自然)乾燥
自然の気候の中で、灰汁(アク)を抜きながら、半年、ゆっくり時間をかけ、材を乾かしてゆきます。
2019年6月中旬頃まで、天然乾燥を行いました。
原板の乾燥具合が良い状態になり、いよいよ、家具製作に取りかかります。
乾燥具合を見ながら、どの材がどの家具部材に適しているのか、使える部材、使えない部材等、見分けます。
●提案図ご提示
お客様ご要望の内容を踏まえながら、設計しご提案いたしました。
【テーブル】
*1回目のご提案
テーブル仕様を折りたたみのできるテーブル天板で考えました。
普段は、二人暮らし、休日となれば、娘さんご家族が来て、賑やかな状況になるとお聞きしましたので、普段は、折りたたんだ状態で使い、人数が増えた時は、天板を持ち上げて幅を伸ばし使用できるタイプでご提案しました。
*2回目のご提案
通常型テーブルの四角い形状、耳付き天板のご提案に変更しました。
脚部の位置は、天板の端側に付け、座った時に邪魔にならない位置です。
天板裏には、反り等の狂いを防ぐための構造になっています。
ご検討いただきました結果、2回目のご提案で製作決定しました。
●テーブル/W1350 D850 H600
【スタッキングスツールとベンチ】
スタッキングスツールとベンチの座面天板もテーブルと同じく耳付にし、脚部は、A型デザインに合せました。重ねることができる仕様なので、収納したい時には、非常に便利です。
スタッキングスツールの座面は、原板の短手部分そのままを生かしています。
●ベンチ(ロータイプ スタッキング)/W1350 D400 H300
【大型ローチェア】
大型ローチェアですが、あぐらをかけるよう、座面に幅を持たせ、ゆったりサイズに設計しました。
肘掛けをつけることで、ゆったり腰掛けられますし、楽に立ち上がれます。
●納品
お客様の庭木であった五葉松は、全体的に白っぽい色味と節の模様が特徴的に現れました。
基本、植物性オイル仕上げですが、ご要望により、テーブル天板
また、所々でグレイ色がアクセントになり、個性的で素敵な仕上
「庭木の五葉松の丸太が、そのまま廃棄されるのではなく、このような家具に姿を変え、これから使い込まれてゆく事に嬉しく思います。」